| 風土ライター食べ歩き日記 | |
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岡林製茶で日本茶の奥深さにふれる 2006年02月09日 11:24 |

今日は高知で4人しかいない日本茶インストラクターのうちのお二人と出会い、日本茶の奥深さ、楽しみ方を教えていただきました。その方は、佐川町で自らお茶を栽培している岡林製茶の岡林夫妻です。現在はお茶の品評会に出品していませんが、過去にずっと高知県で1位を取り続け、さらに農林水産大臣賞まで受賞されたことがあるお茶作りの名人でもあります。
お茶は、同じ品種でも土地や生育条件の違いで出香りや味に違いがあり、また、同じ条件で摘み取られた茶葉でも加工の技術によっても味が変わるという一種のワインのような性質を持っています。また、茶葉の場所や一番茶・二番茶など摘み取る時期によっても味や値段に大きく差がでます(高級なものから格安のものまで様々)。
茶葉の中でも一番高級なものは「玉露」といって、茶葉を摘み取る2週間ほど前から日光をさえぎり、やわらかい新芽の部分だけ製茶したもので100g3500円、高いものになると7〜8千円になるものもあるそうです(別名かぶせ茶ともいう)。高知県では玉露を作っている人はおらず、福岡県のものを濃茶(中温のお湯でじっくり時間をかけて抽出したエキスを少量)で飲ませてもらいましたが、「これってお茶?!」とびっくりするくらい旨み成分があって、香りは海苔のような感じでした。もともとお茶には旨み成分のアミノ酸が含まれているんですが、新芽の部分にはそれが多く、それをじっくりと濃く抽出するからこの味がでるそうですが、お茶というよりも濃いだし汁を飲んでいるようで、お茶のインストラクターが入れたその一口のお茶ですっかりお茶ワールドの奥深さに引き込まれてしまいました。
濃茶を飲んだ後は同じ茶葉で薄茶を味わい(それも上品な味で渋みは少なくすっきとした感じでした)、お茶に関するいろんな話を聞かせてもらいました。高知県のお茶の歴史は明治時代に輸出のために紅茶の栽培から始まったこと。紅茶やウーロン茶はもともと原料が同じ緑茶で発酵されて味が変わること。同じ緑茶でも、茶葉の場所や摘み取る時期によって呼び名や製茶の方法・味が違うことなど、いろいろと教えていただきました。
お茶の生産者が日本茶インストラクターで、ただ単に製品を買うだけでなくて、お茶の色んな知識や飲み方・楽しみ方の話を聞いて商品を購入できることは、消費者にとってとても勉強になるし、お茶の楽しみ方が広がり生活が豊かになってきます。物が売れない時代でもきちんと消費者に対して商品の良さや楽しみ方などの生活提案ができれば、消費者のこころは動くと思いました。生産者からの話があるからこそ、ありがたく、しかもおいしく感じられる部分がたくさんありました。これからは生産者側からの消費者教育・いわゆる大人の食育の視点も重要ですね。
ちなみに、世に出ているお茶の中で無農薬として作られているお茶の多くは、日本に古来からある在来種のもので病気や害虫に強い品種だそうです。ただ、味わいは一般的に作られている「やぶきた」という品種にはかなわないらしく、そのやぶきたは、害虫に弱く無農薬で作るというのは難しいようです。もちろん、生産者の方でも可能な限り農薬を少なくして、散布した際には一定期間収穫しないようにしているということで、おいしいお茶を害虫から守り消費者に届けるということがいかに大変な作業か、消費者もちゃんと生産の現場をきちんと理解する必要があることも感じました。
生産者と消費者がお互いに理解を深めることで、安心してよりおいしくお茶を味わうことができます。ちなみに、岡林夫妻は毎月、第1・第3日曜日に帯屋町商店街のおかみさん市に出店して、日本茶のおいしさ・楽しさを多くの方に知ってもらいたいとPRしています。みなさんも一度、おかみさん市に来て話を聞いてみませんか。きっとお茶の見方・楽しみ方の幅が広がると思います。
最後に内緒ばなし。実は高知県は全国有数のお茶の産地なのに、大部分は静岡産にまぜられて売られているそうです。しかも、高知県民一人当たりのお茶の消費料は沖縄に次いで少ないそうで、お茶処なのに茶を楽しむ文化がない?その影響なのかなかなかおいしいお茶菓子に出会うことが少ないのかも?だれか、お茶インストラクターになって土佐茶&土佐和菓子の専門店を開いてくれないかなぁ。ちなみに私は岡林夫妻から「インストラクターにぜひなって」と誘われて今心が揺れまくっています。
<岡林製茶の製品の紹介>
○くき茶(150g630円)
旨み成分のアミノ酸が多い茎の部分と、茶葉の先端のいい部分をブレンドしたもので、緑茶を楽しむのであれば「まずはくき茶から」と言うくらいおすすめのお茶です。茎特有のほのかな香ばしさと茶葉の先端のすっきとした味わいが楽しめるお茶です。

○煎茶(100g735円)
新芽が出て一番初めに摘み取られ、揉みこんで製茶したもの。緑茶を味わうならやっぱりこれです。
○峠の茶(100g600円)
これも煎茶ですが、以前からあった在来種のお茶で、岡林製茶では昭和7年からお茶の実をまいて栽培し現在に至っているもので、栽培茶園としては高知県の草分けと言える茶畑のお茶です。
○土佐番茶(100g150円)
シーズン終盤の秋ごろに収穫する茶葉で、一番硬くなっている茶葉を揉まずに作ります。

【問い合わせ・販売先】
自園自製・岡林製茶
高知県佐川町黒原1535
電話:0889−22−9103
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